フィルム保存のための環境づくり―経費節減のアイデア―

  • 佐野 千絵
    独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所保存修復科学センター保存科学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Environmental Control for Conservation of Films under Limited Resources
  • フィルム ホゾン ノ タメ ノ カンキョウズクリ : ケイヒ セツゲン ノ アイデア

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説明

フィルムはもともと長寿命を期待して作られたものではなく,工業製品として作られた合成高分子であり,その寿命を長くするには相当量のエネルギーの投入が必須である.三酢酸セルロースを基材とするフィルムは製造後の保管温度に依存してビネガーシンドロームと呼ばれる酢酸放出が始まるが,この加水分解反応は通常の酸性環境下では温度が律速であり,低温での保管が必須である.建物内で低温になる場所を探し,簡易な方法で断熱補強し保管空間の気密性をあげて除湿の効率を上げるなどの工夫が必要である.外気を入れて酢酸濃度を下げるのは温度湿度制御に不利であり,酢酸吸着剤を使用して空気を清浄化する方法について述べる.<br>

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