肺気腫に対する温泉療法の臨床効果とIgE系反応

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  • Effects of Spa Therapy on Pulmonary Emphysema in Relation to IgE-mediated Allergy.

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抄録

肺気腫に対する温泉療法の臨床効果を, IgE系反応の有無との関連のもとに検討を加えた。<br>1. IgE系反応が関与していると判断される症例では, 白血球のロイコトリエンC4産生能は, 温泉療法の有効例で無効例に比べ有意に高い傾向が見られた。IgE系反応が関与しない症例では, 温泉療法の効果とは関係なく, 全般的にロイコトリエンC4産生能は低い傾向であった。ロイコトリエンB4産生と, IgE系反応の関与の有無との間には有意の相関は見られなかった。<br>2. IgE系反応の関与が見られない症例では, 温泉療法有効例で無効例と比べDLco値が有意に高く, またRV値は有意に低いことが示された。<br>3. 温泉療法が有効で, かつIgE系反応が関与する症例では, 温泉療法後に平均%LAAの有意の減少が見られた。IgE系反応の関与しない症例では, 温泉療法による%LAAの変動は見られなかった。<br>以上の結果より, 肺気腫に対する温泉療法の臨床効果は, IgE系反応の関与の有無とある程度関連していることが示唆された。

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