非特異性多発性小腸潰瘍症とクローン病の上部消化管粘膜におけるSLCO2A1蛋白発現

説明

<p>【目的】</p><p>2015年に非特異性多発性小腸潰瘍症(chronic enteropathy associated with SLCO2A1 gene;以下CEAS)がSLCO2A1遺伝子のホモ・接合ヘテロ変異による遺伝性疾患であり、臨床的にCrohn病(以下CD)と診断された症例にCEASが含まれることが示された.そこで、CEASとCDの上部消化管生検組織におけるSLCO2A1蛋白発現を比較し、鑑別法としての意義を検討した.</p><p>【方法】</p><p>2016年6月までに上部消化管内視鏡検査を施行したCEAS4例、CD29例を対象とした.胃・十二指腸の生検組織を用い、抗CD31抗体と抗SLCO2A1ポリクローナル抗体を用いた免疫染色を行い、血管内皮におけるSLCO2A1蛋白発現の有無を検討した.CEAS例では蛋白発現と遺伝子型の関係を対比した.</p><p>【結果】</p><p>SLCO2A1蛋白発現率はCEASで25%、CDで100%であった.SLCO2A1蛋白発現陰性のCEAS3例の遺伝子変異は、c.1461+1G>C(exon 7)ホモ変異(1例)とc.940+1G>A(exon 10)ホモ変異(2例)であった.発現陽性例の変異はc.664G>A(Exon 5)とc.1807C>T(Exon 13)の接合ヘテロ変異であった.</p><p>【結論】</p><p>CEASとCDとの鑑別には、上部消化管生検組織のSLCO2A1蛋白の免疫染色が一助となる.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001277347229568
  • NII論文ID
    130007704057
  • DOI
    10.32264/shocho.2.0_23
  • ISSN
    24347019
    24342912
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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