イオン液体の液状導電付与剤としての電子顕微鏡観察への応用

  • 桑畑 進
    大阪大学大学院工学研究科 科学技術振興機構-CREST

書誌事項

タイトル別名
  • Application of Ionic Liquid as a Liquid Conductive Material to Electron Microscopy

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説明

<p>常温でも液体状態であるイオン液体は,蒸気圧が極めて小さく真空下でも蒸発しない.これを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察すると帯電せずに観察できるという筆者の発見より,イオン液体を液状の導電付与剤に用いる提案を行っている.柔らかく複雑な表面構造を有する,あるいは乾燥すると変形する生体材料等への適用は非常に効果的であり,液状ゆえに微小な箇所まで液体が広がり,さらに試料中にも入り込むことによって,少量で帯電を完全に防ぐことが可能である.また透過型電子顕微鏡(TEM)観察の場合,TEMグリッドにイオン液体の液膜を作製し,その中に試料が存在させれば試料の形状を崩すことなく観察が可能となる.さらにイオン液体中で化学反応を行い,その反応を電子顕微鏡,あるいはEDXでin situ観察することができる.例えば金属の電解析出のその場観察や,電気化学反応に伴うイオン濃度の変化等を調査してきた.</p>

収録刊行物

  • 顕微鏡

    顕微鏡 48 (2), 100-106, 2013-08-30

    公益社団法人 日本顕微鏡学会

参考文献 (20)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001277348308992
  • NII論文ID
    10031194754
  • NII書誌ID
    AA11917781
  • DOI
    10.11410/kenbikyo.48.2_100
  • ISSN
    24342386
    13490958
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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