大動脈基部・上行置換術後の覚醒遅延に門脈体循環シャントの関与が疑われた一例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of delayed emergence after aortic root and ascending aorta replacement, which was probably caused by portosystemic shunt
  • 症例報告 大動脈基部・上行置換術後の覚醒遅延に門脈体循環シャントの関与が疑われた一例
  • ショウレイ ホウコク ダイドウミャク キブ ・ ジョウギョウ チカン ジュツゴ ノ カクセイ チエン ニ モンミャクタイ ジュンカン シャント ノ カンヨ ガ ウタガワレタ イチレイ

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抄録

<p> 患者は71歳男性,限局性Stanford A型大動脈解離に対し,基部・上行大動脈置換術を施行した。術後に肝機能障害,腎機能障害を合併し,覚醒遅延を認めた。肝機能と腎機能が正常化した後も覚醒遅延が続き,造影CTで門脈体循環シャントを認めた。シャントによる高アンモニア血症が遷延したと判断し,分岐鎖アミノ酸製剤,ラクツロースを投与したところ,意識レベルが回復した。</p><p> 肝硬変を伴わない門脈体循環シャントによる肝性脳症は猪瀬型肝性脳症として1950年に初めて報告された疾患であり,比較的稀である。術後に高アンモニア血症が遷延した場合,門脈体循環シャントの有無を確認する必要があると考えた。</p>

収録刊行物

  • Cardiovascular Anesthesia

    Cardiovascular Anesthesia 23 (1), 83-87, 2019-08-01

    一般社団法人 日本心臓血管麻酔学会

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