非機能性膵神経内分泌腫瘍との鑑別が困難であった無症候性paragangliomaの1例

  • 関根 匡成
    自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科
  • 眞嶋 浩聡
    自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科

書誌事項

タイトル別名
  • A patient with an asymptomatic paraganglioma difficult to differentiate from a non-functioning pancreatic neuroendocrine neoplasm

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抄録

<p>症例は38歳,女性.検診の腹部超音波検査にて膵腫瘍が指摘され,当院を受診した.CTで膵頭部に早期濃染する腫瘍が指摘された.MRIでは腫瘍はT1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号,拡散強調画像で拡散の低下を認めた.超音波内視鏡では,膵頭体移行部の門脈近傍に14mm大の境界明瞭,辺縁整で内部は均一な低エコー腫瘤を認め,造影では早期に強い濃染像を認めた.腫瘍に対してEUS-FNAを施行し,膵神経内分泌腫瘍の診断となった.膵頭十二指腸切除を施行し,病理結果は,HE染色でZellballen Patternを呈し,免疫染色で介在する支持細胞ではS100陽性であった.最終診断はparagangliomaとなった.Paragangliomaは,画像診断上,神経内分泌腫瘍との鑑別が困難である.穿刺の際には急激な血圧上昇を惹起する可能性があるため,検査前の鑑別を行うことは勿論,施行時に血圧の急激な上昇に備える必要がある.</p>

収録刊行物

  • 膵臓

    膵臓 34 (4), 181-187, 2019-08-25

    一般社団法人 日本膵臓学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (10)*注記

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