慢性心不全患者の療養セルフマネジメントの構造分析

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タイトル別名
  • A Structure Analysis of Self-Management for Chronic Heart Failure
  • マンセイ シンフゼン カンジャ ノ リョウヨウ セルフマネジメント ノ コウゾウ ブンセキ

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抄録

【目的】本研究は,慢性心不全患者が病気を上手にコントロールしながらこころ豊かに生活するために必要となる要因について構造的に明らかにすることを研究目的とした。 【方法】過去に心不全発症経験のある20歳以上を対象とし,自記式質問紙および,面接により調査した横断研究で,収集データは共分散構造分析を用いて分析した。 【結果】対象は116名(男性72名,女性44名)で,確認的因子分析で得られた因子を構造的にみると『前向きな取り組み』(『』は潜在変数を示す)は,『家族支援機能』を基盤として『主体的療養行動』を経て間接的に規定していた。モデルの決定係数は,17%(男性20%,女性25%),適合度指数は,CFI=0.958,RMSEA=0.059と高い適合度が得られた。先行研究で指摘されてきた『主体的療養行動』を円滑に行うことは再入院のみならず,心不全患者がこころ豊かに生活する『前向きな取り組み』にも関係していることが示された。 【結論】慢性心不全患者の療養セルフマネジメントを規定する要因について構造的に明らかになった。今後は,多職種が連携した新しい支援方法の構築が必要であると同時に,世代別,重症度別に分析し外的妥当性を高めていくことが研究課題である。

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