Horner症候群を契機に発見された交感神経鞘腫

書誌事項

タイトル別名
  • Horner’s syndrome caused by the cervical sympathetic chain schwannoma

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説明

神経鞘腫は頭頸部領域に発生することが多い良性腫瘍だが,神経脱落症状を契機に発見されることは少ない。今回われわれは,Horner症候群を契機に発見された交感神経鞘腫を経験したので報告する。<br>症例は42歳男性。眼瞼下垂を自覚し,MRIにて右上頸部に腫瘤を認めたため,当科に紹介となった。初診時には右眼瞼下垂,右縮瞳を認め,右上頸部に弾性硬な3cm程度の腫瘤を認めた。頸動脈分岐部に腫瘤が存在し,CTで造影効果が高かったため,頸動脈小体腫瘍と診断され,経過観察となった。<br>しかし,経過観察中に増大傾向を示し,頸動脈分岐部から腫瘍が離れ,MRIで上下に索状物も認めたことから,交感神経由来の神経鞘腫と診断し,手術を施行した。<br>右上頸部に横切開を行い,内頸静脈,頸動脈,迷走神経を温存し,腫瘍の上下端から1cm程度離して神経を切断し腫瘍を全摘出した。病理組織学的所見で神経鞘腫と診断された。

収録刊行物

  • 頭頸部外科

    頭頸部外科 29 (1), 73-78, 2019

    特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会

参考文献 (1)*注記

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