サトウキビを用いたバイオマスエネルギーに関する教材の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Effectiveness of Sugarcane as Teaching Materials on Biomass Energy.
  • サトウキビを用いたバイオマスエネルギーに関する教材の検討 : 中学校における実践例と教材利用の留意点
  • サトウキビ オ モチイタ バイオマスエネルギー ニ カンスル キョウザイ ノ ケントウ : チュウガッコウ ニ オケル ジッセンレイ ト キョウザイ リヨウ ノ リュウイテン
  • ―中学校における実践例と教材利用の留意点―

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抄録

<p>平成20年3月に告示された学習指導要領では,持続可能な循環型社会の構築をめざして,環境やエネルギー教育のいっそうの充実が盛り込まれた.中学校理科においても,バイオマスなどの新しいエネルギーへ興味や関心を持たせ,多面的・総合的にエネルギーを捉えることが目標とされている.しかし,現行の教科書では,単にバイオマスの言葉の説明や工場の写真等の掲載にとどまり,バイオマスエネルギーに関する観察や実験の記載はなく,これらの教材開発もほとんど行われていない.そこで,サトウキビ(Saccharum officinarum L.)を材料に中学校で実施可能なバイオマスを利用したエネルギーに関する教材の開発と,その有効性を本学附属中学校で授業実践を行い検討した.サトウキビをドライイースト,サプリメント,酵母ビーズを用いて発酵させ,発生したエタノールを,ここ1,2年で急速に普及しつつあるアルコール測定器を用いて測定したところ,生徒たちは酵母の種類により0.66~0.73mg/lのエタノールを検出することができた.また,授業の前後で行った意識調査の結果,「トウモロコシから車の燃料を作ることは環境にやさしい」や「バイオマスエネルギーについて学習することは,エネルギー問題の解決に役立つ」の2項目で授業後の意識が有意に向上し,身の回りの環境やバイオマスなどを身近な問題として捉え,環境やエネルギーに関する認識を深めることができ,本教材がバイオマスを利用したエネルギーに関する教材として有効であることが確かめられた.</p>

収録刊行物

  • 生物教育

    生物教育 53 (1-2), 10-21, 2012

    一般社団法人 日本生物教育学会

参考文献 (22)*注記

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