四季成り性イチゴ品種の暖地冬春季栽培における開花およびランナー発生特性の解明と適正品種の選定

  • 遠藤(飛川) みのり
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構九州沖縄農業研究センター
  • 本城 正憲
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター
  • 曽根 一純
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構九州沖縄農業研究センター
  • 森下 昌三
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構九州沖縄農業研究センター
  • 由比 進
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of Flowering and Runnering Characteristics of Everbearing Strawberry, and Selection of Its Suitable Cultivar in Warm-region Cultivation from Winter to Spring in Japan
  • シキ ナリ セイ イチゴ ヒンシュ ノ ダンチ トウ シュンキ サイバイ ニ オケル カイカ オヨビ ランナー ハッセイ トクセイ ノ カイメイ ト テキセイ ヒンシュ ノ センテイ

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説明

<p>寒冷地において主に利用されている四季成り性イチゴ品種を暖地のイチゴ冬春季栽培に利用するには,その生態特性を把握する必要がある.そこで,寒冷地および暖地において四季成り性17品種を夏秋季から冬春季にわたって栽培して,自然条件下および24時間日長条件下における開花特性およびランナー発生特性の差異を調査した.その結果,夏秋季が高温となる暖地では,10~12月を中心に花房発生が抑制され,寒冷地に比べ株当たり総花房数が少なかった.寒冷地において観察された連続開花性の強弱は暖地においても同様に観察されたが,連続開花性が強い‘サマーアミーゴ’,‘みよし’などにおいても高温期には花房発生の停滞が生じた.この停滞は24時間日長処理によっても改善されず,暖地における夏秋どり栽培の困難性が示唆された.一方,冬春季には暖地においても,連続開花性が弱い‘なつあかり’などを含むほぼすべての供試品種が花房を発生した.24時間日長処理による花房発生促進効果も認められ,暖地の冬春季栽培においても四季成り性品種の利用が可能であることが示された.なお,四季成り性品種のランナー発生数は暖地と寒冷地とで相関が高いことが明らかとなった.本試験の供試品種のうち‘サマードロップ’は,暖地において夏秋季にはランナー発生が, 冬春季には24時間日長処理条件下で花房発生が多いことから,暖地における冬春季栽培に適していることが示された.</p>

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 18 (3), 215-226, 2019

    一般社団法人 園芸学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (16)*注記

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