介護老人保健施設におけるアドバンス・ケア・プランニングの試み

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タイトル別名
  • Family Decisions on Advance Care Planning for Older Adults in Long-Term Care Health Facility
  • カイゴロウジン ホケン シセツ ニ オケル アドバンス ・ ケア ・ プランニング ノ ココロミ

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抄録

<p>背景 : 高齢者の医療・ケアにおいてアドバンス・ケア・プランニング (ACP) の重要性が高まっている. 介護老人保健施設 (老健) におけるACPについて家族の意向に限定して検討し, ACP作成および実施の資料を得ることを目的とした. 対象および方法 : 対象は老健入所者100人の家族 (入所者本人の意向は含まない). ACPの項目は, 医療機関搬送を希望しない意思, 急変時の心肺蘇生処置の要・不要, 胃ろうを含む延命治療の希望とした. また, 入所者の年齢, HDS-R得点, 要介護度についても検討した. 結果 : 医療機関搬送希望33人, 希望せず61人で希望せずが多かった (p<0.01). 医療機関搬送希望, 希望せずの2群 (未定を除く) で希望の有無のカットオフとなる年齢は平均寿命程度の87歳であった. 医療機関搬送希望せず群は希望群よりも平均介護度は高く, 平均HDS-R得点が低かった (p<0.01). また, 医療機関搬送希望せず群は心肺蘇生処置も不要と答えていた. 経口摂取不能の場合は胃ろう希望5人. 最低限の点滴のみでよいが大半であった. 結語 : 老健入所者家族のACPの判断に関与する要因は入所者が高年齢, 高介護度, および高度認知症である. ACPの現状と問題点などについて考察した.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 59 (7), 652-656, 2019

    一般社団法人 日本心身医学会

被引用文献 (1)*注記

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