毛孔性紅色粃糠疹様の臨床像を呈し新規 <i>ABCA12</i> 遺伝子変異を認めた魚鱗癬様紅皮症の姉弟例

書誌事項

タイトル別名
  • A Novel Missense Mutation in the <i>ABCA12</i> Gene in Japanese Siblings with Congenital Ichthyosis Erythroderma
  • 症例 毛孔性紅色粃糠疹様の臨床像を呈し新規ABCA12遺伝子変異を認めた魚鱗癬様紅皮症の姉弟例
  • ショウレイ ケアナセイ ベニイロヒヌカシンヨウ ノ リンショウゾウ オ テイシ シンキ ABCA12 イデンシ ヘンイ オ ミトメタ ギョリンセンヨウコウ ヒショウ ノ アネ テイレイ

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説明

<p>症例 1 : 43 歳,男性。両親は血族婚。小児期より顔面を含む全身に角化性紅斑を生じた。近医で毛孔性紅色粃糠疹と診断され,ステロイド外用やエトレチナート内服等で加療された。成長と共に顔面,体幹の紅斑は自然に軽快したが,掌蹠の過角化は残存していた。当科初診時,下顎,両耳介,前胸部に境界明瞭な鱗屑性紅斑および掌蹠の著明な角化を認めた。病理組織では過角化と表皮肥厚を認め,顆粒層は一部で消失しており,毛孔一致性に角栓形成を認めた。全身 narrow band ultraviolet B(NB-UVB),掌蹠に対してはターゲット型 NB-UVB の照射療法,エトレチナート再投与により皮疹は軽快した。症例 2 : 45 歳,女性。症例 1 の姉。生下時より掌蹠に角質増殖がみられ,成長と共に全身に紅斑と落屑が拡大した。エトレチナート,シクロスポリン内服で加療したところ,皮疹は掌蹠にわずかな角質増殖と,膝蓋に角質増殖を残すのみとなった。2 症例とも,毛孔性紅色粃糠疹と一旦診断したが,whole-exome-sequencing 解析の結果,ABCA12 遺伝子に新規のミスセンス変異(c.4601C>T,p.Thr1534Met)をホモ接合体で認め,先天性魚鱗癬様紅皮症と改めて診断した。毛孔性紅色粃糠疹と先天性魚鱗癬様紅皮症の鑑別診断には遺伝子検査が有用であると考えた。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 81 (5), 382-386, 2019-10-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (9)*注記

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