単分子接合物理の最前線 (解説)

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タイトル別名
  • Cutting Edge of Physics : Single-Molecule Junctions
  • 単分子接合物理の最前線
  • タンブンシ セツゴウ ブツリ ノ サイゼンセン

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抄録

対向する金属電極間に単一分子を架橋させた単分子接合は,2つの金属-分子界面を有する低次元系であるため,バルク均一系では観測されない様々な新規物性が発現する.例えば,Pt電極に架橋した水素単分子は,伝導度が量子化単位値(2e^2/h)をとることが知られている.最近では,単分子接合における金属-分子接合界面の重要性が認識され,伝導度の接合部位依存性や,電極と分子の電子準位のアライメント,界面におけるエネルギー散逸の問題なども議論されるようになってきた.また,電子とフォノンの相互作用も重要なテーマとなっており,非弾性トンネル分光,単分子接合の局所温度評価や安定性などのトピックスと併せて議論が活発に行われている.さらに,単分子接合は,トランジスタなどの素子機能を持つ分子デバイスへの応用面からも注目を集め,近年ますます盛んに研究されている.本稿では,単分子接合の作製方法から,コンダクタンスをはじめとする単分子接合の物性について概説し,単分子接合の計測技術をデバイスに展開した例を紹介する.

収録刊行物

  • 日本物理学会誌

    日本物理学会誌 66 (5), 347-353, 2011-05-05

    一般社団法人 日本物理学会

参考文献 (48)*注記

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