耳鼻咽喉科領域における好酸球性疾患

  • 黒野 祐一
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学

書誌事項

タイトル別名
  • Eosinophilic Diseases in Otorhinolaryngology
  • ジビ インコウカ リョウイキ ニ オケル コウサンキュウセイ シッカン

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抄録

<p>耳鼻咽喉科領域の代表的好酸球性炎症としてアレルギー性鼻炎,好酸球性副鼻腔炎,好酸球性中耳炎がある。アレルギー性鼻炎では好酸球は遅発相の鼻閉に関与し,好酸球から放出されるケミカルメディエーターやサイトカインによってもたらされる。好酸球性副鼻腔炎は両側性で粘稠な鼻汁と鼻茸を伴い,篩骨洞優位の病変を認め,内視鏡下鼻内副鼻腔手術後に再発を繰り返し難治性の疾患である。Th2型サイトカインであるIL-4やIL-5,IL-13,ペリオスチンによって好酸球浸潤がもたらされ,好酸球の細胞死であるextracellular trap cell death(ETosis)が粘稠な鼻汁の形成に関与すると考えられている。好酸球性中耳炎も難治性の疾患で好酸球浸潤が著明なニカワ状の中耳貯留液を認め,感音難聴をきたす。その発症機序は好酸球性副鼻腔炎と類似している。これらの好酸球性疾患はいずれも気管支喘息を合併することが多く,その治療に際しては呼吸器内科との連携が重要である。</p>

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参考文献 (12)*注記

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