条里制集落・針江地区における換地前後の耕作地所有の関係性に関する特徴

書誌事項

タイトル別名
  • A study on characteristics of relationships on arable land ownership in a Jori-grided village, Harie, in the land replotting
  • Sampling settlements at the Ado Alluvial Plain (Kozuno manor, Shiga prefecture)
  • 安曇川沖積平野(木津荘, 滋賀県)を対象として

抄録

<p>本研究は、重要文化的景観である滋賀県高島市の「針江・霜降の水辺景観」に含まれる、条里制集落・針江地区の耕作地の所有形態における、関係性の特徴の解明を目的としている。周辺地域である安曇川沖積平野には、集落への帰属意識を高めるため、一耕作者を意図的に複数の水路に関連づけ、耕地を小規模に分散化して所有する伝統が存在する。そこで、本研究では、針江地区で1984〜85年に行われた換地を分析時点として、換地史料における記載を元に、集落内外の共同体間の関係性から、その耕作地所有形態の特徴を定量的に分析した。そして、中世での集落の耕作地や居住域の開発史と対照した結果、次のような結論が導き出された。1)換地前後の針江地区の所有者には、隣接する集落、かつて地域の井堰を共同利用していた近隣集落群居住の所有者による耕地が含まれることが明らかになった。2)古くから開発された耕地ほど、その耕地の水利に関連するあらゆる属性に、万遍なく所有される傾向があり、一方、相対的に新しく開発された耕地は、その所有属性に偏重傾向がある。3)換地前後、各小字の耕作地の属性は、その水利に連関する近隣共同体との関係が示唆された。</p>

収録刊行物

  • 都市計画論文集

    都市計画論文集 54 (3), 321-328, 2019-10-25

    公益社団法人 日本都市計画学会

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