若者における高齢者虐待の認識度と高齢者への態度との関連

  • 豊島 彩
    大阪大学大学院人間科学研究科
  • 田渕 恵
    日本学術振興会特別研究員 関西学院大学大学院文学研究科
  • 佐藤 眞一
    大阪大学大学院人間科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between recognition of elder abuse and attitude toward elderly people among young adults
  • 若者における高齢者虐待の認識度と高齢者への態度との関連 : 虐待の背景に着目して
  • ワカモノ ニ オケル コウレイシャ ギャクタイ ノ ニンシキド ト コウレイシャ エ ノ タイド ト ノ カンレン : ギャクタイ ノ ハイケイ ニ チャクモク シテ
  • ―― 虐待の背景に着目して ――

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抄録

<p> 本研究は,専門的知識のない一般的集団として学生を対象に,高齢者虐待に関する認識と高齢者に対する顕在的態度および潜在的態度との関連性の検討を行うことを目的とした.虐待行為そのものを示す項目と,虐待発生の前提条件を加えた項目を含めた高齢者虐待観尺度を作成し,学生49人を対象として質問紙による顕在的態度と潜在連合テスト(IAT)による潜在的態度の測定を行った.高齢者に対する態度を独立変数,各虐待観尺度の得点を従属変数とした重回帰分析の結果,身体的虐待と心理的虐待の一部の項目において,顕在的態度が肯定的であることが虐待の認識の高さと有意に関連していた.心理的虐待では,前提条件があることで認識度が高まる項目において,潜在的態度が肯定的であることが虐待の認識の高さと有意に関連していた.本研究の結果から,虐待発生の前提条件がある項目の認識に関して,潜在的態度と顕在的態度の両方が虐待の認識に影響を与えていることが明らかになった.</p>

収録刊行物

  • 老年社会科学

    老年社会科学 38 (3), 308-318, 2016-10-20

    日本老年社会科学会

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