VA-ECMO導入後の出血傾向にフィブリノゲン製剤を投与した肺血栓塞栓症の1例

  • 鈴木 銀河
    東邦大学医療センター大森病院救命センター
  • 一林 亮
    東邦大学医療センター大森病院救命センター
  • 渡辺 雅之
    東邦大学医療センター大森病院救命センター
  • 酒井 浩多
    東邦大学医療センター大森病院救命センター
  • 山本 咲
    東邦大学医療センター大森病院救命センター
  • 本多 満
    東邦大学医療センター大森病院救命センター

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF PULMONARY THROMBOEMBOLISM TREATED WITH FIBRINOGEN CONCENTRATE FOR BLEEDING TENDENCY AFTER VA-ECMO

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抄録

<p>肺血栓塞栓症による循環虚脱から救命するためには経皮的心肺補助法の速やかな導入が考慮される.しかし,その合併症として出血が問題になることもある.</p><p>症例は65歳女性.腰痛を主訴に救急要請した.病着直前に心肺停止となり,初療にて経皮的心肺補助法(veno-arterial extracorporeal membrane oxygenation:VA-ECMO)を導入した.その後の造影CT検査で肺動脈に造影欠損を認め肺血栓塞栓症と診断した.入院後にVA-ECMOのカテーテル刺入部からの大量出血を認め,血中フィブリノゲン値が64mg/dlまで著減していたためフィブリノゲン製剤3gを投与した.その後から速やかに出血は治まり,入院翌日には循環動態安定したためECMOを離脱した.外科的にカテーテル抜去し翌日から抗凝固療法を開始した.その後第6病日に抜管し第23病日に神経脱落所見なく独歩退院した.肺血栓塞栓症による心肺停止に対してVA-ECMOを導入し出血性合併症が起こった場合,フィブリノゲン製剤を投与することで早期に止血し救命できる可能性がある.</p>

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