ナイロン歯車工具によるラッピングがショットピーニング浸炭歯車の耐久限に及ぼす効果

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タイトル別名
  • Effects of lapping using nylon gear tool on endurance limit of shot-peened gas-carburized gears
  • ナイロン ハグルマ コウグ ニ ヨル ラッピング ガ ショットピーニング シンタン ハグルマ ノ タイキュウゲン ニ オヨボス コウカ

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抄録

<p>遊離砥粒とナイロン歯車を用い,鋼歯車の歯面粗さを低減させるラッピング技術を開発した.本研究では,微粒子ショットピ-ニングを施したガス浸炭歯車の歯面粗さを低減し,歯面強さを向上させるため,被加工歯車である鋼歯車とラップ工具としての加工歯車であるナイロン歯車をかみ合わせた.このようにして,ショットピ-ニングを施したガス浸炭歯車歯面にナイロン歯車工具によるラッピングを試みた.これらの試験歯車の歯面性状を調査し,歯車運転試験を実施することで,ショットピ-ニング浸炭歯車のような高硬度歯車の負荷能力に及ぼすラッピングの効果を調べた.その結果,ショットピ-ニングによって付与された硬さと圧縮残留応力はそれぞれ維持されつつも,ショットピ-ニングによって約 5 μmRz であった歯形方向歯面粗さは,ラッピングによって歯面上の極めて薄い表層部(歯面粗さの突起部)が除去されることで約 1 μmRz にまで低減できた.この歯車を用いた歯車運転試験結果から,ラッピングを施した試験歯車の疲労寿命は改善され,耐久限はピッチ点での最大ヘルツ応力 σH=2200 MPa に達し,ラッピング前に比べて約10 % 向上することが明らかとなった.</p>

収録刊行物

  • 砥粒加工学会誌

    砥粒加工学会誌 63 (6), 315-321, 2019-06-01

    社団法人 砥粒加工学会

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