表土の残し方の違いは天然更新に関わる土壌特性を変化させるか?

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タイトル別名
  • Do the different scarifying practices to leave surface soil change soil properties important for natural regeneration?

抄録

<p>樹木の天然更新を促進する掻き起こし作業において、表土を多く残すことによる成長の改善が注目されている。しかし、表土を残す方法の違いは考慮されてこなかった。そこで複数の作業種を対象として、更新に影響すると考えられる表層土壌の諸特性を比較した。北海道大学研究林内で、通常の掻き起こしと、表土を意図的に残す作業2種(取り除いた植生および表土を施工地に敷き戻す作業:表土戻し、および、植生を除去する際に表土をふるい落とす作業:ふるい落とし)を実施した。施工後の表土の特性には、表土を残すふたつの作業種間で差が認められた。ふるい落とし処理箇所の土壌硬度や残存根茎量は表土戻し処理と有意に異なっており(硬度が高く、根茎量は少ない)、むしろ通常の掻き起こし処理に近い値だった。また、土壌の含水率は、表土戻し処理において高い箇所が多かった。このように、表土を残す作業の効果は作業法によって大きく異なることが明らかになった。掻き起こし地では乾燥が実生の定着をしばしば妨げることから、表土戻しは更新をより促進しうる作業であることが示唆された。本発表では上記の結果に加え、植生の定着状況も踏まえた作業の選択について議論する。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288033649152
  • NII論文ID
    130007375864
  • DOI
    10.11519/jfsc.129.0_264
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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