異なる環境に置かれたトベラ苗の葉の光合成特性

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タイトル別名
  • Photosynthetic characteristics of leaves on the tobira seedlings under different environments

抄録

<p>トベラは海岸の裸地から暗い林床まで様々な環境で生育する。こうしたトベラの環境応答能を評価する目的で、異なる光環境下に置いた苗の成長と葉の形態、光合成特性を調べた。日本大学生物資源科学部藤沢キャンパス内の常緑林下(相対光強度約30%)で2015年12月から半年間生育させた苗を、2016年5月に同じ敷地のヤブツバキ林下(同約10%、以下A区)とイチョウ林下(同約60%、以下B区)、全天光下の屋上(以下C区)に移動させ、一部の個体はそのまま置いた(以下D区)。2成長期間生育させた結果、成長は暗いA区や強光下のC区と比べて中間のB・D区が良好であった。C区では個葉の面積やクロロフィル含量の指標となるSPAD値が小さくLMA(葉乾重/葉面積)が大きい陽葉の特徴を示した。光合成の光補償点はA・D区がB・C区と比べて低かったが、最大光合成速度はD区が最も高かった。このようにトベラでは光環境に対して一定の適応が認められ、ある程度の被陰下で生理的機能や成長が最も良好になることが示された。C区に移動させた苗では1年目の夏季に葉の黄変や枝の部分枯れが発生したことから、裸地へ植栽する場合には生育する光環境の前歴に注意する必要がある。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288035271936
  • NII論文ID
    130007375901
  • DOI
    10.11519/jfsc.129.0_258
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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