固有樹種シコクシラベ集団内の2豊作年における種子の遺伝的多様性

DOI
  • 岩泉 正和
    (国研)森林機構 森林総合研究所林木育種センター関西育種場
  • 河合 貴之
    (国研)森林機構 森林総合研究所林木育種センター関西育種場
  • 笹島 芳信
    (国研)森林機構 森林総合研究所林木育種センター関西育種場
  • 河合 慶恵
    (国研)森林機構 森林総合研究所林木育種センター関西育種場
  • 三浦 真弘
    (国研)森林機構 森林総合研究所林木育種センター関西育種場
  • 那須 仁弥
    (国研)森林機構 森林総合研究所林木育種センター東北育種場
  • 磯田 圭哉
    (国研)森林機構 森林総合研究所林木育種センター

書誌事項

タイトル別名
  • Genetic diversity of seed pools within a population of <i>Abies veitchii</i> var. <i>shikokiana</i> in two masting years

抄録

<p>シコクシラベは四国の石鎚山、笹ヶ峰及び剣山の頂上周辺にのみ遺存的に生育するシラベの固有変種であるが、気候変動等による生息域内での集団サイズの減少が危惧されており、次世代(種子)による生息域外保存が重要視されている。本研究では、当該樹種の効果的かつ効率的な遺伝子保存に資するため、石鎚山集団内の多数母樹から2ヵ年にわたり採取した種子の遺伝的多様性を評価し、現集団の多様性を担保する種子プールを得るために必要な採種母樹数について検討した。集団内から選定した成木120個体、および豊作年であった2011年、2014年に上記成木のうちそれぞれ21母樹、49母樹から得られた種子(母樹あたり24個)を対象に、核SSRマーカー6座に基づき遺伝子型を決定した。種子の遺伝的多様性は両年とも、個体サイズが小さい母樹で有意に高い傾向が認められた。家系選択の多数回試行により採種母樹数の増加に伴う種子プールの多様性の増加について評価したところ、対立遺伝子数は採種母樹数が18母樹以上で成木を上回った一方で、ヘテロ接合体率、対立遺伝子の有効数ではそれぞれ16母樹、36母樹で成木の95%、97%以上の値となったがそれ以上は頭打ちとなった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288035307008
  • NII論文ID
    130007376190
  • DOI
    10.11519/jfsc.129.0_578
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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