中枢神経系の炎症を増悪させる新たな免疫細胞の発見

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抄録

中枢神経系における炎症(神経炎症)は,多発性硬化症やパーキンソン病などの脳神経疾患の病態に深く関与している.神経炎症は中枢神経系に常在するグリア細胞が惹起していると考えられていたが,近年の研究で末梢の免疫細胞が神経炎症を制御する大きな要因であることが明らかとなってきた.神経炎症の抑制は,脳神経疾患に対する新たな治療法となることが期待されているが,その制御機構は十分明らかになっていない.本稿では,神経炎症を増悪させている新たな免疫細胞を発見したKwongらの研究成果を紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Prinz M., Priller J., Nat. Neurosci., 20, 136-144(2017).<br>2) Kwong B. et al., Nat. Immunol., 18, 1117-1127(2017).<br>3) Lazarevic V. et al., Nat. Rev. Immunol., 13, 777-789(2013).<br>4) Song J. et al., Cell Rep., 10, 1040-1054(2015).

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 54 (6), 577-577, 2018

    公益社団法人 日本薬学会

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