3. コロニー臭がとりもつアリの寛容・不寛容 : 10km超スーパーコロニーの仲間が示す広域寛容性について(<総説特集II>匂いが決める好き嫌い-3)

  • 小林 碧
    神戸大学大学院・理学研究科・生物学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • 3. Comparison of the tolerability in nestmate recognition that are mediated by colony odors between different social forms in ants
  • コロニー臭がとりもつアリの寛容・不寛容 : 10km超スーパーコロニーの仲間が示す広域寛容性について
  • コロニーシュウ ガ トリモツ アリ ノ カンヨウ ・ フカンヨウ : 10km チョウスーパーコロニー ノ ナカマ ガ シメス コウイキ カンヨウセイ ニ ツイテ

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説明

多くのアリ種は嗅覚器で巣仲間か否かを識別して、巣毎の仲間識別を行い、後者を排除する。仲間識別の主な鍵は体表炭化水素(CHC)と言われている。アリの中にはスーパーコロニーとよばれる巨大社会を形成する種がいる。スーパーコロニー内では、巣の境を越えて働きアリが自由に出入りできる、つまり、スーパーコロニー内の非巣仲間を寛容に受け入れる。しかし、依然として異種やスーパーコロニー外の同種個体を排除する識別能力を持ちつづけている。本稿では日本在来のスーパーコロニー形成種であるエゾアカヤマアリ(Formica yessensis)の、CHCを介した仲間識別メカニズムを生物化学的、電気生理学的、行動学的、および遺伝学的手法を用いて調べた多角的研究を紹介する。

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参考文献 (25)*注記

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