MEGとアイトラッキングによるアスペルガー症候群の顔認知解析
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説明
<p>ヒトの顔, 表情は豊富な意味を内包し, (1) 個体の識別と存在の象徴であり, (2) 感情の表出の場としても機能し, (3) 社会的交通の窓口でもある。アスペルガー症候群 (AS) の顔認知に関しては相対的に顔の同定・記憶・表情判断力において劣ること, 特に「眼」の表情のよみとり障害が顕著であることが知られる。また, 6歳以降の小児で顕著になる倒立顔効果が, 自閉症児では乏しいこと等が知られている。これはASの認知特性としての全体よりも細部にこだわるweak central coherence (弱い中央統合性) 仮説で説明される。今回顔認知課題を脳波–脳磁図測定およびアイトラッキングを用いて解析し, ASでは定型発達の「顔認知に特化されたシステム」とは異なる領域を用いていた。すなわちAS小児は顔という豊富な意味を有する対象を同定・理解するのにholistic & configural processingを経ずに視覚認知における背側経路を主に用いて分析的に見ることで表情認知という論理的分析にはなじまない対象を了解しようとしている可能性がある。</p>
収録刊行物
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- 臨床神経生理学
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臨床神経生理学 46 (3), 124-131, 2018-06-01
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001288036236672
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- NII論文ID
- 130007382994
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- ISSN
- 2188031X
- 13457101
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可