PACAPシグナリングによって駆動されるアストロサイト―ニューロン乳酸シャトルの中枢神経機能発現への寄与―

  • 神戸 悠輝
    鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 生体情報薬理学
  • 栗原 崇
    鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 生体情報薬理学
  • 宮田 篤郎
    鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 生体情報薬理学

書誌事項

タイトル別名
  • Astrocyte-neuron lactate shuttle, the major effector of astrocytic PACAP signaling for CNS functions
  • PACAP シグナリング ニ ヨッテ クドウ サレル アストロサイト : ニューロン ニュウサン シャトル ノ チュウスウ シンケイ キノウ ハツゲン エ ノ キヨ

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説明

<p>アストロサイト-ニューロン乳酸シャトル(ANLS)は,アストロサイトを含むグリア細胞が産生した乳酸をニューロンが利用することを仮定したモデルである.ANLSは近年,学習・記憶,薬物依存などに重要な役割を果たし,細胞レベルにおいても,ニューロンを直接活性化したり,シナプス促通を惹起したりすることが報告されている.しかしながら,どのようなシグナルがアストロサイトに作用し,ANLSを活性化するか明らかではなかった.一方,神経ペプチド,下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP)とその受容体は,中枢神経系に広く分布する.我々は前脳由来培養アストロサイトにおいて,PACAPは非常に低い濃度からANLSを活性化する可能性を見出したことから,内因性のANLS活性化因子の候補としてPACAPを捉え,恐怖記憶,脊髄痛覚伝達に対する関与を検討した.その結果,PACAPは少なくとも前脳と脊髄のアストロサイトのPACAP/PAC1シグナルの下流においてPKCを介したANLSの活性化を惹起し,恐怖記憶および脊髄痛覚伝達に関与することが明らかとなった.以上の結果から,PACAPは内因性のANLS活性化因子である可能性が示された.</p>

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 151 (6), 239-243, 2018

    公益社団法人 日本薬理学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (30)*注記

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