北海道における春全量施肥を前提とした有機栽培タマネギの窒素施肥対応

  • 櫻井 道彦
    (地独)北海道立総合研究機構中央農業試験場
  • 坂口 雅己
    (地独)北海道立総合研究機構中央農業試験場
  • 古館 明洋
    (地独)北海道立総合研究機構中央農業試験場

書誌事項

タイトル別名
  • Optimal rate of nitrogen fertilizer application for organic onion farming in Hokkaido
  • ホッカイドウ ニ オケル ハル ゼンリョウ セヒ オ ゼンテイ ト シタ ユウキ サイバイ タマネギ ノ チッソ セヒ タイオウ

この論文をさがす

抄録

<p>有機栽培タマネギの収量性向上を目的に,有機JASに準拠した広範な窒素肥沃度のほ場で窒素施肥試験を実施し以下の結果を得た.</p><p>1)施肥窒素の全量を当年春に施肥する春全量施肥は,窒素施肥量の3分の2を前年秋に,残りの3分の1を当年春に施肥する春分施よりも有意に増収した.</p><p>2)春全量施肥に窒素含有率40 g kg−1以上の有機質資材を用いた場合,資材間に収量差はなかった.一方,窒素含有率20 g kg−1前後の資材では有意に減収した.</p><p>3)有機栽培タマネギの目標収量である44 Mg ha−1を得るための窒素施肥量を,目標窒素吸収量から窒素無施用条件での窒素吸収量を差し引き,それを施肥窒素利用率で除することで算出した.その結果,標準的な窒素肥沃度(熱水抽出性窒素50~70 mg kg−1)における窒素施肥量として140 kg ha−1が適正で,窒素肥沃度の高低により窒素施肥量を40 kg ha−1増減させる窒素施肥対応を構築した.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ