阿蘇外輪山北西部断層群の「お付き合い地殻変動」は累積してきたか?(速報)
書誌事項
- タイトル別名
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- Is the "triggered" deformation of the fault group in north-western area of outer rim of Aso caldera cumulative? (preliminary report)
抄録
ALOS-2データを用いたSAR干渉解析により,平成28年熊本地震に伴い生じた地表変動が詳細に明らかにされた(国土地理院,2016)。この中には,地表地震断層が出現した布田川断層や日奈久断層付近での位相の不連続や断層変位に伴う広域的な弾性変形のほか,小さな地表変位を示す線状の位相不連続が多数確認された(Fujiwara et al. 2016)。これらのうち,阿蘇外輪山北西部の断層群について,位相不連続が現れている地点の現地調査を行ったところ,多数の不連続線上で地表の変位を確認した。すべて位置,走向,変位の向きはSAR干渉解析による分析ときわめてよく整合するものであった(宇根ほか2017)。これらは直下に余震が観測されておらず,地震に伴う応力の変化や地震動により誘発された受動的な地震断層,いわば「お付き合い断層」と考えられる。このうち,変位地形が明瞭でSARで明瞭な位相不連続が現れ,現地でも地表変位が現れた的石牧場Ⅰ断層上において,掘削調査及び地中レーダ調査を実施し,活動の累積性について調査している。的石牧場Ⅰ断層は,扇状地性の平坦面を切る逆向き断層崖状の地形を呈しており,調査地点には比高1m~3m程度の低断層崖とみられる地形が連続し,SAR干渉解析で今回の地震に伴い10㎝程度の垂直変位があったことが推定されている。本稿執筆時点ではピット壁面の詳細な観察を行っていないが,変位の累積を示す堆積物の変形が見られているようであり,地中レーダ調査結果とともに大会時に観察結果を報告する。<br>SAR干渉解析により,地震時に震源地周辺で地表に現れる「地震断層」が,主要な震源断層の変位が地表に達したものだけでなく,地震に関連するさまざまな性質や成因で発生しうることが明らかになった。このような「地震断層」の多様性を適切に表現する用語の新たな定義を検討すべきである。また,このような「お付き合い地殻変動」が累積することによっても活断層地形が形成される可能性があることが示された。活断層の活動にも多様性があることを踏まえて,活断層の活動性の評価方法を再検討すべきである。
収録刊行物
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- 日本地理学会発表要旨集
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日本地理学会発表要旨集 2018s (0), 000273-, 2018
公益社団法人 日本地理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001288040006144
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- NII論文ID
- 130007412071
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可