同居家族との死別により生じた入院中の高齢者の社会的課題とその支援――回復期リハビリテーション病棟における2事例から――

  • 佃 志津子
    埼玉県立大学保健医療福祉学部社会福祉子ども学科

書誌事項

タイトル別名
  • Social Problems Faced by Elderly Persons Who Experienced Bereavement of a Live-in Family Member during Hospitalization and the Support Provided: Two Case Reports in a Convalescent Rehabilitation Ward
  • ドウキョ カゾク ト ノ シベツ ニ ヨリ ショウジタ ニュウイン チュウ ノ コウレイシャ ノ シャカイテキ カダイ ト ソノ シエン : カイフクキ リハビリテーション ビョウトウ ニ オケル 2 ジレイ カラ

この論文をさがす

抄録

<p>本稿は,入院中に二人暮らしの同居家族が急逝した高齢者2名の事例をもとに,死別により生じた社会的課題とその支援に焦点を当てた報告を行う.事例から社会的課題を整理し,その支援に関与した機関などとの連携について分析を行った.その結果,支援を要した社会的課題は,7カテゴリー(諸支払い,財産の管理,住居の処分,療養の継続,今後の生活先,死亡に伴う手続き,法制度上の手続き)に分類され,3大カテゴリー(経済,生活,法制度)に統合され,支援に関与した機関等は23機関に及んでいた.多機関・多職種との連携において,①問題の整理と課題の明確化,②連絡経路の整理と役割分担,③チェックリストの活用等が有用であり,チーム医療が機能することで地域との連携が円滑化していた.死別による多重喪失,身体的な制限などにより,社会的課題が重複した高齢者の支援において,迅速な連携が図れるよう個々の実践力と組織の力を高めることが必要である.</p>

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 59 (1), 96-108, 2018-05-31

    一般社団法人 日本社会福祉学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ