盲腸癌イレウス術後に呼吸不全をきたした筋強直性ジストロフィーの1例

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タイトル別名
  • A Case Report of Cecal Cancer Ileus with Myotonic Dystrophy Requiring Severe Postoperative Management
  • 症例 盲腸癌イレウス術後に呼吸不全をきたした筋強直性ジストロフィーの1例
  • ショウレイ モウチョウガン イレウス ジュツゴ ニ コキュウ フゼン オ キタシタ キン ゴウチョクセイ ジストロフィー ノ 1レイ

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抄録

症例は54歳,女性.糖尿病,筋強直性ジストロフィーの既往があった.盲腸癌(腺腫内癌)によるイレウスのため,緊急で開腹盲腸部分切除術を施行した.術後鎮痛目的に麻薬の経静脈的持続投与を行った.術後18時間にCO2ナルコーシスを発症,心室細動が出現し,心肺蘇生の後再挿管し,以降呼吸器離脱困難な状態が続いた.さらに,術後高血糖のため血糖コントロールを必要とした.第12病日に気管切開術を施行し,第33病日に胃瘻を造設した.さらに,呼吸リハビリや嚥下訓練を施行し,第54病日に呼吸器から離脱.第110病日に転院した.筋強直性ジストロフィー患者で周術期管理上問題となる呼吸器合併症のうち,鎮静・鎮痛薬投与の関与が考えられる症例が呼吸器合併症の約50%あるといわれており,本症例も呼吸不全の原因であると思われた.今回われわれは術後管理に難渋したが,治療が奏効し全身状態が改善しえた筋強直性ジストロフィー患者を経験した.

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参考文献 (2)*注記

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