トマト育苗における出芽揃いに及ぼす培地の物理性およびセルトレイ内の水分分布の影響

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タイトル別名
  • Effect of Physical Properties of Medium and Its Water Distribution on Uniform Emergence of Tomato Plug Seedlings
  • トマト イクビョウ ニ オケル シュツガ ソロイ ニ オヨボス バイチ ノ ブツリセイ オヨビ セルトレイ ナイ ノ スイブン ブンプ ノ エイキョウ

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抄録

<p>トマトの出芽の均一性を高めるためにトマト ‘CF桃太郎ヨーク’を用い,培地の物理性および水分状態がトマトの発芽率および出芽率に及ぼす影響について調査した.実験1では,128穴セルトレイにピートモス主体の市販培地を仮比重 0.12(PM/粗),0.15(PM/密),ロックウール細粒綿を仮比重 0.14(RW/粗),0.28(RW/密)となるよう充填し,灌水量を変えて播種4日後の出芽率を調査したところ, 最高出芽率となったpFはPM/粗, PM/密,RW/粗,RW/密でそれぞれ1.53, 1.48, 1.37, 1.58だった.実験2では,種子周辺の培地含水率が発芽に及ぼす影響を調査するために,深さ5 mmのシャーレに播種し24 hごとに発芽を調査したところ,発芽は24~48 h後に開始し播種72 h後の発芽率は,PM/粗ではpF 1.23~3.06の範囲で,PM/密ではpF 1.17~3.20,RW/粗ではpF 0.85~1.46,RW/密ではpF 1.40~1.87の範囲で90%を超えた.実験3ではセルトレイ内を上層(深さ0~1 cm),中層(深さ1~2 cm),下層(深さ2~5 cm)とし灌水量の違いによる水分分布を灌水1,48 h後に調査した.いずれの培地も粗では灌水量に係らず灌水1 h後のpFは実験2で出芽率90%を超えた範囲だった.実験1で出芽率が最大となった時のpFを実験3の結果で対応する灌水48 h後のセル内の水分分布と比較すると,それぞれPM/粗はpF 1.47~1.65,PM/密はpF 1.32~1.64,RW/粗はpF 1.07~1.35だった.出芽率を高めるには,培地上層は発芽に必要な水分を供給し,中・下層は根の伸長を抑制しないようpF 1.4~1.6程度に維持することが望ましいと考えられた.</p>

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 17 (2), 161-170, 2018

    一般社団法人 園芸学会

参考文献 (5)*注記

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