過剰な鉄蓄積による神経変性症
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- 宮嶋 裕明
- 浜松医科大学内科学第一講座
書誌事項
- タイトル別名
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- Neurodegeneration with brain iron accumulation
説明
1980年代後半より,大脳基底核,大脳皮質などに過剰な鉄沈着を来し,運動障害(ジストニア,運動失調,無動など)や認知機能障害など多彩な神経症候を呈する鉄蓄積性神経変性症(neurodegeneration with brain iron accumulation:NBIA)の10疾患が発見された.この中の一つである無セルロプラスミン血症では,アストロサイトを中心に過剰な鉄沈着と封入体が認められる.著明な鉄沈着は肝臓,膵臓などの全身の組織にもみられ,糖尿病,貧血などを来す.また,アルツハイマー病やパーキンソン病などの一般的な神経変性症でも疾患特異的な異常タンパク質からなる封入体形成に鉄の関与が認められた.今回は,無セルロプラスミン血症を中心に過剰な鉄蓄積と関連した神経変性症について述べる.
収録刊行物
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- 生化学
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生化学 90 (3), 272-278, 2018-06-25
公益社団法人日本生化学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001288042067456
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- ISSN
- 00371017
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可