生存者罪悪感(survivor guilt)の概念的枠組みとソーシャルワーク実践の課題 : ソーシャルワークにおけるトラウマ・アプローチに関する一考察

書誌事項

タイトル別名
  • The Conceptual Framework of Survivor Guilt and Relating Practical Issues in Social Work : Implications of Trauma Approach in Social Work Settings
  • セイゾンシャ ザイアクカン survivor guilt ノ ガイネンテキ ワクグミ ト ソーシャルワーク ジッセン ノ カダイ ソーシャルワーク ニ オケル トラウマ アプローチ ニ カンスル イチ コウサツ

この論文をさがす

説明

1980年代以降,外傷体験に起因する心的外傷後ストレス障害(PTSD)に関する研究が数多く報告されるようになった。しかし,トラウマの影響はPTSDの枠組みだけではとらえきれず,とくに長期的影響に関する研究は初期段階にあるといえる。本研究は,トラウマの長期的影響のひとつとして「生存者罪悪感」の問題を取り上げる。そして筆者の臨床および調査経験を踏まえ,生存者罪悪感の概念的枠組みとソーシャルワーク実践のあり方について提言することを目的とする。具体的には,1)生存者罪悪感の概念的枠組みを形成する実存的罪悪感と実体的罪悪感の内容と分類,2)理論,実証,臨床の各側面における先行研究の整理,3)生存者罪悪感への援助方法論,そして4)考察といった項目にまとめて報告する。とくに,援助方法論では,認知療法の枠組みに加えて,1)援助関係構築,2)アセスメント法,3)援助目標の原則,4)セルフヘルプグループの形成と活用,4)ソーシャルワーカーの自己覚知,そして5)その他の留意点といったソーシャルワーク機関における実践的示唆を示す。また,考察では今後の研究課題とソーシャルワークの役割について提言をまとめる。

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 42 (2), 54-66, 2002-03-31

    一般社団法人 日本社会福祉学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ