靴紐のゆるみが歩行におよぼす影響

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タイトル別名
  • Effect of loose shoelaces on walking

抄録

目的)近年、スニーカーをはじめとする紐靴は若年者を中心に流行しており、靴紐をゆるめた状態で歩行している人をよく見かける。本報は、靴紐のゆるみが歩行に及ぼす影響について検討した。<br>方法)靴紐のゆるみの現状について、若年女子150名を対象にアンケート調査を行なった。次いで靴紐のゆるみを変えて歩行実験を行った。被験者は若年女子7名、実験靴はローカットのスニーカーを用いた。靴紐の条件は下記の3条件とした。A:靴紐をほどかずに履ける程度のゆるみで紐を通し、ゆるく結ぶ。B:Aと同じようにゆるく紐を通し、結び目のみきつく結ぶ。C:被験者の足にフィットするように紐を通し、きつく結ぶ。これらの平地歩行の状態を歩行パターン測定システムと、足圧分布測定システムにより計測した。さらにVTR撮影を行い歩行時の動作解析と着用感について5段階の官能評価を行った。<br>結果(1)アンケート調査の結果、靴紐をゆるめに通す人が約50%あり、その主な理由は紐をほどかずに靴が履けることだった。(2) 動作分析の結果、靴と踵の距離はAが最も離れ、次いでB、Cの順であった。 (3) Aのピーク圧力は大きく、荷重中心の軌跡長は短かった。(4) 官能評価の結果、Aは最も脱げやすく、足首が固定されず、安定感がなく、疲れやすく、早く歩けず、歩きにくいことが明らかになった。また、CはBよりも安定感があり、歩きやすかった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288046211328
  • NII論文ID
    130007420661
  • DOI
    10.11428/kasei.70.0_218
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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