「作者の死」から「読者の死」へ

書誌事項

タイトル別名
  • From “The Death of the Author” to “The Death of the Reader”: What Is Reading without the Ethics of Reading?
  • 「作者の死」から「読者の死」へ : 〈読むことの倫理(モラリティ)〉を忘れた〈読み〉に向けて
  • 「 サクシャ ノ シ 」 カラ 「 ドクシャ ノ シ 」 エ : 〈 ヨム コト ノ リンリ(モラリティ)〉 オ ワスレタ 〈 ヨミ 〉 ニ ムケテ
  • ――〈読むことの倫理(モラリティ)〉を忘れた〈読み〉に向けて――

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説明

<p>日文協第67回大会(第一日目)において加藤典洋氏は、テクスト論の立場から生ずる「ナンデモアリ」の読みに対する違和感を唱え、「〈第三項〉の理論とは、同じ出発点に立って」いるとしながらも、「読者と作品の関係性の一回性に基礎を置く文学理論」、「読者と作品のなかに浮上する」「作者の像」が、読者一人ひとりの「コレシカナイ性を作り上げる」という氏の「読書行為論」を提唱した。それは、第66回大会に登壇した竹田青嗣氏の唱える「一般言語表象」に触発されたものであるという。また加藤氏は、田中実氏の提唱する「第三項」を超越的なものであるとし、カントの「物自体」との類縁性を訴え、前年の竹田氏の講演内容にも示されたヘーゲルの説いた「事自体」との違いに関する議論に興味を示している(本誌二〇一三年三月号)。</p><p>本稿ではまず、加藤氏の理論の背景となった竹田氏の「一般言語表象」について検討したい。その上で、〈第三項〉理論との違いを考えながら我々の読書行為を再検討し、〈第三項〉理論が拓く新たな「読み」の可能性を探っていきたいと思う。</p>

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 62 (8), 84-97, 2013-08-10

    日本文学協会

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