二つの色素系の結晶構造におけるアルキル置換基の効果に関する研究

  • 神藤 拓実
    横浜国立大学高大接続・全学教育推進センター 横浜国立大学大学院環境情報学府
  • 松本 真哉
    横浜国立大学高大接続・全学教育推進センター 横浜国立大学大学院環境情報学府

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on Effects of Alkyl Substitutions on Crystal Structures of Organic Colorants Focusing on Two Dye Systems
  • フタツ ノ シキソケイ ノ ケッショウ コウゾウ ニ オケル アルキル チカンキ ノ コウカ ニ カンスル ケンキュウ

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説明

<p>ビスアゾメチン色素とキナクリドン色素の二つの色素系について,結晶構造の変化に対するアルキル置換基の効果を体系的に調べた事例を紹介する。各色素系の基本骨格に長さの異なるアルキル基を導入した誘導体の結晶構造を調べ,結晶中の分子形状や分子間の距離と角度を設定した幾何学パラメータをもとに数値で比較した。また,格子エネルギー計算により結晶中の安定化に対するエネルギー寄与の高い低次元の分子配列における置換基の効果を検討した。ビスアゾメチン色素の場合,末端アミノ基に導入したアルキル基が,一次元に積層する分子のスリップ角に大きく影響することがわかった。また,フェニル環上にアルコキシ基を有する場合には,末端のアルキル基は,分子の二次元の配列様式に影響した。キナクリドン色素の場合は,アミノ基に導入されたアルキル基の効果により,格子エネルギーに対するエネルギー寄与が大きい一次元の配列が変化することが確認された。</p>

収録刊行物

  • 色材協会誌

    色材協会誌 91 (7), 220-226, 2018-07-20

    一般社団法人 色材協会

参考文献 (4)*注記

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