塗抹標本作製装置 SP-50 の動物血への適用

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タイトル別名
  • Application of Smear Preparation Device SP-50 to Animal Blood

抄録

<p>血液の測定には、血算・凝固・免疫・生化学・血液ガスなど様々な測定が行われる。それぞれ自動化が進み、試料を準備するだけでデータの得られる項目も多くなった。通常の試料と大きく異なる結果が得られた場合にどのように対処・解釈すればよいのか、あとから対処・解釈できるようにするためには予備的・追加的に何を実施しておくべきかといったことを理解しておけば、手間を掛けた過程を無駄にすることなく測定結果を活用することができる。</p><p>血算分野では、抗凝固剤加血液を装置に吸引させるだけで各血球の濃度や恒数をはじめ、白血球分類、網赤血球比率まで数値を得ることができる。通常の対象群のような抹消血であれば問題なく測定できでも、動物種や系統、あるいは薬物投与などの影響によっては、血液の性状が異なるために装置が上手く解析してくれない場合もあり得る。そのような時に、測定結果の分布図から測定原理などに基づいて推論することはできるが確定的なことが言えず、前に進めないことが多々発生する。ここで塗抹標本があれば、血球の形態、比率などの情報を得ることができ、これらの情報が装置の数値や分布図の解釈と組み合わさって測定試料の性状に関する推論をより確定的なものにしてくれる。</p><p>塗抹標本の作製にはいくつかの方法があり、試料や現場の状況に応じて採用される。ウエッジ法は血液量が少なくて済むことから小動物には適していると言えるが、きれいな標本を作製するには技術が必要であり慣れるまでに経験を要する。塗抹標本作製装置SP-50は、ウエッジ法を採用し、塗抹から染色までを全自動で実施する装置である。ウエッジ標本の作製に不慣れな方でも採血管をセットするだけで塗抹標本を作製することができる。ただし、本来はヒト血用であるため、動物血にどの程度対応できるのか検討を行った。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288056301184
  • NII論文ID
    130007432486
  • DOI
    10.14869/toxpt.45.1.0_p-251
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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