犯罪者の自己統制,犯罪進度及び家庭環境の関連についての検討

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タイトル別名
  • A study of relations among factors of self-control, degree of criminal progress and domestic conditions in offenders.
  • ハンザイシャ ノ ジコ トウセイ ハンザイ シンド オヨビ カテイ カンキョウ ノ カンレン ニ ツイテ ノ ケントウ

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抄録

<p>Gottfredson & Hirschiは,1990年に,「犯罪の基礎理論」において,自己統制という概念を提唱した.その後,多くの研究者が,犯罪行為と自己統制能力の低さとの関連性を実証してきたが,これらの研究に用いられている手法には,いくつかの問題点が指摘できる.そこで本研究では,それらの問題点をできるだけ解消するため,犯罪者を対象とし,犯罪進度や家庭環境といった,低自己統制が形成される客観的要因も含めた検討をおこなう.</p><p>その結果,以下のことが指摘された.</p><p>(1)20歳までの警察補導などの経験は,犯罪進度を示す重要な指標の1つとなりうる.</p><p>(2)実父の欠損は,子どもが犯罪を行なうか否かに大きな影響を及ぼす.</p><p>(3)一般的に不適切と思われる行動の多い親によって,不安定な家庭環境の中で育てられると,自己統制能力が低くなる可能性が強まる.</p>

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