ハスノハカシパンに寄生する巻貝トクナガヤドリニナの生態学的研究

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タイトル別名
  • Ecological Study of Hypermastus tokunagai (Gastropoda: Eulimidae), Parasitic on the Sand Dollar Scaphechinus mirabilis (Echinoidea: Irregularia)

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抄録

ハナゴウナ科の巻貝トクナガヤドリニナHypermastus tokunagaiは不正形ウニ類の一種ハスノハカシパンScaphechinus mirabilisに寄生する。トクナガヤドリニナの寄生様式,寄生状況など生態に関する知見を得るため,山口県の馬島沿岸において採集を行った。トクナガヤドリニナは吻によって宿主に付着していたが,宿主の殻に孔を開けておらず,その付着の強度は非常に弱かった。また,カシパンの生息地において,カシパンに覆われていない部分で採泥を行ったところ,底土中からも生体のトクナガヤドリニナが発見された。これらから,本種の宿主依存性は低いと考えた。寄生と宿主のサイズには,特別な関係は認められなかった。寄生位置に関しては,腹面において外側への寄生が多く認められた。寄生率は春と秋に高く,夏と冬には低かった。

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