非一様弾性場・非定住培養における間葉系幹細胞のAPC発現調節

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タイトル別名
  • Modulation of APC expression in hMSC during nomadic culture on heterogeneous field of elasticity

抄録

<p>間葉系幹細胞(MSC)の系統偏向は培養力学場の強度と経験時間を履歴に影響を受けるため、その品質保証においては幹細胞性を偏向させない培養力学場設計が重要となる。我々はハイドロゲル表面に導入した硬・軟領域間でMSCを非定住に運動させることで、力学場履歴の蓄積を回避し特定の分化系統への偏向をブロックする標準状態培養系の構築を試みてきた。今回、硬・軟それぞれの領域の弾性率絶対値の厳密な定義、及び各領域でのMSCの滞在時間の厳密な均等化のために、以下の二点の設計を行った。1)YAP/TAZおよびRUNX2の核移行弾性率閾値が10kPa付近にあることを決定し、非定住運動の過程でこれらの転写副因子の核内外の移行を繰り返させるため、軟領域を3kPa、硬領域を30kPaとした。2) 曲率半径50μm以下の硬軟凸境界で生じる軟領域への負のDurotaxisを活用して、完全非定住運動を確保するパターニングゲル(Pゲル)を設計した。作製したPゲル上でMSCを4日間培養後、遺伝子マイクロアレイ解析を行なったところ、特にがん抑制遺伝子の一種であるAPCの発現が強く亢進していた。APCはWntシグナリングとアクチン骨格の発達制御の双方に関与することが知られており、細胞増殖・分化応答と運動力学とを繋ぐ新たなメカノトランスデューサーとしての可能性が示唆された。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual56 (Abstract), S36-S36, 2018

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288070288256
  • NII論文ID
    130007483930
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual56.s36
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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