GPUによるモンテカルロ法を用いた生体組織光伝播シミュレーション

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  • Light Propagation Simulation using Monte Carlo method on GPU

抄録

<p>モンテカルロシミュレーションとは乱数を用いた確率的手法で,生体組織内の光伝播の計算に用いられており,光拡散方程式の解法の標準手法として確立されている.しかしこの手法には計算時間が長いという欠点がある.</p><p>一方,GPGPU(GPUによる汎用計算)はGPUを画像処理以外に応用する技術であり,計算資源にGPUを用いて実行時間の短縮をする.そこで本研究はGPUを用いた生体組織における光伝播シミュレーションを開発し,実行速度を向上させることを目的とする.</p><p>本研究においてGPUを用いたMCML(Monte Carlo for multi-layered media)を実装し,鏡面反射率,拡散反射率,吸収率,透過率を計算し,実行時間を測定した.またOregon Medical Laser CenterのMCMLを用いて,計算結果と実行時間の比較を行った.計算条件は脳組織(白質)に対して波長980nmレーザ照射時のYaroslavskyらの文献値を用いて,実行回数は10回,実行1回の計算光子数は100万個とした.実行環境にはCPU(Intel(R)Core(TM)i7-6700),GPU(GeForceGTX980Ti),メモリ32GBを用いた.</p><p>算出結果の比較として,平均値(標準偏差)を示す.本研究にて実装したGPMCMLでは拡散反射率0.42749(0.00036),吸収率0.54659(0.00036),透過率0.00172(0.00001)になった.またOMCLの平均値は,拡散反射率0.42711,吸収率0.54679,透過率0.00173となり,算出結果の同等性が示せた.実行時間の比較よりGP-MCMLでは約129倍速く実行可能であることを報告する.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual56 (Abstract), S58-S58, 2018

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288070754560
  • NII論文ID
    130007484058
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual56.s58
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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