衛星による海洋基礎生産力の推定

  • 平譯 享
    北海道大学 大学院水産科学研究院
  • 高尾 信太郎
    国立極地研究所 生物圏研究グループ
  • 鈴木 光次
    北海道大学 大学院地球環境科学研究院
  • 西岡 純
    北海道大学 低温科学研究所 環オホーツク観測研究センター
  • 渡邉 豊
    北海道大学 大学院地球環境科学研究院
  • 伊佐田 智規
    北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター 厚岸臨海実験所

書誌事項

タイトル別名
  • Estimation of ocean primary production from satellite remote sensing
  • エイセイ ニ ヨル カイヨウ キソ セイサンリョク ノ スイテイ

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抄録

<p>海洋の物質循環や生態系の時空間変化を考える上で,海洋植物プランクトンによる基礎生産を大きな時空間スケールで正しく推定することが必要不可欠である。そのため,海色リモートセンシングによる基礎生産の推定が行われている。本稿では,基礎生産を推定するためのモデルの発展と改良についてその概要を紹介する。また,海色リモートセンシングで得られたクロロフィルa (Chl-a)濃度や基礎生産の変動解析研究の課題について議論する。基礎生産の推定モデルにはChl-aをベースにしたものが多用されているが,衛星によって推定されるChl-aは懸濁物や有色溶存有機物(CDOM)による光吸収の影響を受けやすい。そのため,近年では炭素ベースあるいは光吸収ベースの基礎生産推定モデルが開発され,Chl-aの推定誤差が大きい海域においても,比較的良い精度で基礎生産が推定できるようになった。今後,これらのデータを利用した長期変動の研究のためには,海色衛星ミッション間の差異を考慮した結合とセンサーの劣化等によるドリフトの補正が必要である。</p>

収録刊行物

  • 海の研究

    海の研究 26 (3), 65-77, 2017-05-15

    日本海洋学会

参考文献 (88)*注記

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