産雄性単為生殖を行うクロゲハナアザミウマ (Thysanoptera, Thripidae) における翅多型の遺伝様式

書誌事項

タイトル別名
  • Genetics of Wing Polymorphism in the Arrhenotokous Thrips nigropilosus Uzel
  • サン ユウセイタンイ セイショク オ オコナウ クロゲハナアザミウマ Thys

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説明

産雄性単為生殖を行うクロゲハナアザミウマにおいて, 日長条件とは無関係に雌の翅型を決定する機構を稚内市および京都市から採集した個体群の交配実験によって推察した.さらに, 日本各地の7地点で採集した個体群について, 日長条件とは無関係に短翅型を発現する遺伝子が存在するか否かを調査した.交配実験の結果, 翅型決定には一対の対立遺伝子が関与しており, 短翅型を発現させる遺伝子が優性であると推察できたが, その他の遺伝子も翅型決定に関与することが示唆された.各地の野外で採集した雌において, 短翅型を発現する優性の対立遺伝子を保有する個体の比率は, 稚内市で38.9%, 音威子府村で9.1%, 網走, 旭川, 京都, 長崎および那覇市で0%であった.これらの結果, ならびにこれまでに知られている本種雌の翅型発現性とその地理的変異に関する知見とから, 本種雌における翅多型の起源について議論した.

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参考文献 (26)*注記

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