雌ウマの発情周期中における腸内細菌叢の変化と性ホルモンとの関係
書誌事項
- タイトル別名
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- Change of microbiota composition and sex hormones during estrus cycles in mare
抄録
<p>【目的】哺乳類にとって,消化管内に生息する腸内細菌叢は生体の恒常性維持に重要であり,腸内細菌叢を正常に保つことは疾病のリスクを下げると考えられている。ウマは巨大な盲腸を有する後腸発酵動物として知られ,ウマにおいても腸内環境を整えることの重要性はすでに指摘されている。一方,我々は腸内細菌叢と生殖機能との関係について注目し,実験動物を用いた研究を行っているが,ウマについては何もわかっていない。そこで本研究では,雌ウマについて発情周期中の腸内細菌叢の動態を解析するとともに,血中性ホルモンと相関する腸内細菌の存在を明らかにすることを目的とした。【方法】正常な発情周期を示す健康なサラブレッド種雌ウマ5頭から,1ヶ月間,1日ごとに血液と糞便の採取を行った。その間,超音波検査により排卵日の確認を行った。血中のエストロジェン(E₂)とプロジェステロン(P₄)濃度はRIA法により測定を行い,糞便中の腸内細菌叢についてはDNA抽出後,次世代シークエンサーによるメタゲノム解析を行った。【結果】メタゲノム解析の結果から,雌ウマ5頭の腸内細菌叢において,門レベルおよび科レベルで個体間に大きな差は認められなかった。排卵日を基準として,5頭の血中E₂とP₄濃度の平均値を求めたところ,卵胞の発育に伴うE₂濃度の上昇と排卵後の黄体形成に伴うP₄濃度の上昇が確認された。これらE₂およびP₄濃度変化と相関する腸内細菌を門レベルおよび科レベルで解析を行った結果,科レベルにおいて,E₂と正の相関を示すクラミジア目に属するパラクラミジア科とカンジダ目に属するTM7-1,P₄と正の相関を示す乳酸菌目に属するストレプトコッカス科が示された。興味深いことに,ストレプトコッカス科と同じ乳酸菌目に属するラクトバチルス科はP₄と負の相関を示した。以上の結果から,雌ウマにおいて,発情周期中の血中E₂とP₄が腸内細菌叢構成の変化に影響を及ぼすと考えられ,特にE₂は病原性細菌と,P₄は乳酸菌生育に関与する可能性が示唆された。</p>
収録刊行物
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- 日本繁殖生物学会 講演要旨集
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日本繁殖生物学会 講演要旨集 111 (0), OR2-8-OR2-8, 2018
公益社団法人 日本繁殖生物学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001288071569152
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- NII論文ID
- 130007486975
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可