歩行および立位保持中の膝窩筋筋活動について

  • 大西 秀明
    東北大学大学院医学系研究科運動機能再建学分野
  • 八木 了
    東北大学大学院医学系研究科運動機能再建学分野
  • 大山 峰生
    東北大学大学院医学系研究科運動機能再建学分野
  • 松木 儀浩
    東北大学大学院医学系研究科運動機能再建学分野
  • 伊橋 光二
    東北大学大学院医学系研究科運動機能再建学分野
  • 半田 康延
    東北大学大学院医学系研究科運動機能再建学分野
  • 池田 知純
    職業能力開発大学校福祉工学科

書誌事項

タイトル別名
  • EMG Activity of the Popliteus Muscle during Walking and Standing

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説明

本研究の目的は,健常者を対象にして歩行中および立位保持中に膝窩筋筋電図を導出し,その機能を明らかにすることであった。対象は健常男性10名であり,課題動作は自然歩行および膝関節0度,30度,60度および90度屈曲位での立位保持であった。筋電図の導出にはワイヤー電極を使用し,電気刺激を行うことにより電極が膝窩筋内に入っていることを確認した。各動作時に得られた筋電図は全波整流したのち移動平均処理を行い平滑化し,最大等尺性下腿内旋運動時に得られた筋電図をもとに正規化した。歩行中の膝窩筋筋活動は,立脚初期,立脚後期および遊脚後期に強い活動を示した。特に立脚期9.3%時点では膝窩筋の筋活動は最も強く,下腿最大内旋運動時の72.2 ± 14.8%を示した。また,立位保持中における膝窩筋の筋活動は膝関節屈曲角度の増加に伴い増加した。これらの結果から,膝窩筋は,歩行時には遊脚後期から立脚初期にかけては膝関節過伸展を防御し,立脚後期から遊脚初期にかけては膝関節の屈曲運動に関与することが推察された。また,立位保持時には脛骨の前方移動を防ぐように活動していると考えられた。

収録刊行物

  • 理学療法学

    理学療法学 26 (5), 226-230, 1999-07-31

    一般社団法人日本理学療法学会連合

参考文献 (11)*注記

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