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- 田口 ローレンス吉孝
- 一橋大学社会学研究科博士課程
書誌事項
- タイトル別名
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- The Formation of Discourses Regarding “Konketsu”/“Hafu” and the Social Consequences:
- 戦後日本社会の「混血」「ハーフ」をめぐる言説編成と社会的帰結 : 人種編成論と節合(アーティキュレーション)概念の批判的援用
- センゴ ニホン シャカイ ノ 「 コンケツ 」 「 ハーフ 」 オ メグル ゲンセツ ヘンセイ ト シャカイテキ キケツ : ジンシュ ヘンセイロン ト セツゴウ(アーティキュレーション)ガイネン ノ ヒハンテキ エンヨウ
- 人種編成論と節合概念の批判的援用
- Critical Use of “Racial Formation” and “Articulation” Theories
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説明
<p>「日本人」/「外国人」の二分法に還元されない「混血」「ハーフ」と呼ばれる人々は, 政府・メディアの言説や学問領域においてしばしば不可視化されている. しかし, かれらの存在は日本社会における歴史的背景の中で立ち現われ, 時代ごとに多様なイメージや言説が付与されてきた.</p><p>本稿では, オミとウィナントが用いた人種編成論の視座を援用し, 時期区分と位相という枠組みから戦後日本社会における「混血」「ハーフ」の言説編成を整理し, 節合概念によってその社会的帰結を分析した. 第1期 (1945-60年代) において再構築された「混血児」言説は, 第2期 (70-80年代) に現れた「ハーフ」言説の人種化・ジェンダー化されたイメージによって組み替えられることとなる. 第3期 (90-2000年代前半) では「ダブル」言説を用いた社会運動が展開されるが, これらは当事者の経験を十分に捉える運動とはならなかった. 第4期 (2000年代後半-) には, これまでの「ハーフ」言説が多様化し, 現在の日本社会でナショナリズムや新自由主義, そして当事者によってその意味づけが再節合されつつある. 歴史的な言説編成の中で「混血」「ハーフ」と名指された人々への差別構造が通奏低音となって温存される一方, 当事者の運動によってこれらが可視化され始めている状況を明らかにした.</p>
収録刊行物
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- 社会学評論
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社会学評論 68 (2), 213-229, 2017
日本社会学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001288073171328
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- NII論文ID
- 130007492895
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- NII書誌ID
- AN00109823
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- ISSN
- 18842755
- 00215414
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- NDL書誌ID
- 028605324
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- CiNii Articles
- KAKEN
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可