下水処理場の水処理工程および放流河川における亜酸化窒素発生量の一体的評価

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タイトル別名
  • Assessment of the nitrous oxide emission in a sewage treatment plant and the river receiving its effluent water
  • ゲスイ ショリジョウ ノ ミズショリ コウテイ オヨビ ホウリュウ カセン ニ オケル アサンカ チッソ ハッセイリョウ ノ イッタイテキ ヒョウカ

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抄録

<p>温室効果ガスである亜酸化窒素 (N2O) について,下水処理場水処理工程のフラックスを正確に算出し,発生量の抑制につなげることを目的として,反応槽から放流先までを一体的に評価した.疑似嫌気好気活性汚泥法を行うA浄化センターと放流先のA川において,2013年の9月と12月,2014年の9月に通日調査を行い,N2O発生量を算出したところ,CO2換算で9月が868kgCO2/d,12月が3,897kgCO2/dと見積もられた.発生源別の割合は,9月において沈砂池,最初沈殿池および汚泥処理棟由来を合計したガス態N2O (GN2O) が0.3%,反応槽由来の直接発生が14.8%,処理水中溶存態N2O (DN2O) のガス化が0.9%,河川へのDN2Oの放流が5.8%,間接発生が78.2%であったのに対して,12月においてはそれぞれ0.7%,66.4%,8.9%,7.1%,16.9%であった.これより,水処理工程由来のN2O発生量は,反応槽由来の直接発生や間接発生はもとより,処理水中のDN2O成分の放流後の挙動を考慮して一体的に評価することで,値を正確に算出できると考えられた.また,反応槽においては特に冬季にかけてDN2O濃度が高くなる傾向にあるため,前駆物質であるNO2濃度を指標として,冬季においてDO濃度とA-SRTの管理を適切に行うことがN2Oの抑制に有効であると推察された.</p>

収録刊行物

  • 下水道協会誌

    下水道協会誌 54 (657), 114-123, 2017-07-01

    公益社団法人 日本下水道協会

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