CBF-AMLの分子病態と治療

  • 石川 裕一
    名古屋大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科学

書誌事項

タイトル別名
  • Molecular pathogenesis and treatment of core binding factor-acute myeloid leukemia
  • CBF-AML ノ ブンシ ビョウタイ ト チリョウ

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説明

<p>急性骨髄性白血病(AML)において予後良好群に分類されるcore-binding factor AML(CBF-AML)は,臨床像,その分子生物学的基盤よりもAMLにおける一つの疾患単位を形成している。しかし,予後良好とされるCBF-AMLにおいても30%以上の症例で再発が認められているのが現状である。また,近年のシークエンス技術の革新により,CBF-AMLのうち,t(8;21)-AMLとinv(16)-AMLでは,併存する遺伝子変異においてそれぞれ特徴があることが判明し,分子生物学的に異なる白血病発症基盤,層別化因子の存在が考えられる。近年,分子標的療法による治療やMRDによるリスク層別化などが試みられているが,AML発症や治療抵抗性に関わる分子異常については十分に明らかになっておらず,今後の発症基盤の解明と予後不良例に対する層別化因子の探索,新規治療法の開発が望まれる。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 59 (10), 1997-2006, 2018

    一般社団法人 日本血液学会

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