蜂窩織炎性虫垂炎に併存した右卵巣腫瘍に対し腹腔鏡下同時手術を施行した1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Laparoscopic Surgery for Synchronous Phlegmonous Appendicitis and Right Ovarian Tumor
  • 症例報告 蜂窩織炎性虫垂炎に併存した右卵巣腫瘍に対し腹腔鏡下同時手術を施行した1例
  • ショウレイ ホウコク ホウカシキエンセイ チュウスイエン ニ ヘイソン シタ ミギ ランソウ シュヨウ ニ タイシ フククウキョウ カ ドウジ シュジュツ オ シコウ シタ 1レイ

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説明

症例は43歳女性,以前から慢性虫垂炎の再燃を繰り返しており,右卵巣腫瘍も併存していたため腹腔鏡下同時手術の予定であった.数日前から下腹部痛が出現し慢性虫垂炎の再燃と診断し,緊急入院した.以前から再燃を繰り返していたことから保存的加療後も短期間に再燃する可能性が高く,卵巣および卵巣腫瘍に虫垂炎の炎症が波及し卵巣膿瘍を形成しうること,虫垂と右卵巣は同一術野で手術が可能であることから一期的に腹腔鏡下同時手術を行った.虫垂切除および右付属器摘出を行い,術後経過は良好で4日病日に退院となった.蜂窩織炎性虫垂炎は進行した場合に壊疽性虫垂炎や穿孔性虫垂炎に移行する.卵巣と虫垂は解剖学的に近接した臓器であり虫垂より炎症が卵巣に波及し卵巣膿瘍を形成することや,もともと卵巣腫瘍が存在する場合にも術後卵巣膿瘍を形成することがある.本例のように右卵巣腫瘍が併存する場合,同一術野で手術が可能であり,虫垂炎の炎症が波及するリスクを考慮し虫垂炎の程度などを評価した上で侵襲性を考慮し腹腔鏡下同時手術を考慮すべきである.

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