腱板被覆断裂の術前MRI評価とその特徴
抄録
被覆断裂のMRI画像では,断裂しているにも関わらず腱板の連続性を示すことが明らかとなっている.そのため,MRI画像の画質が飛躍的の向上した現在においても被覆断裂は完全断裂と比べ診断精度は低い.本研究では,被覆断裂の術前MRI画像における特徴を抽出することを目的とした.対象は,術前に被覆断裂と診断し,実際に腱板修復術を行った44例(男21/女23名,平均64.7歳)とし,術前にMRI撮影を行った.その結果,T2強調画像において腱内に正常腱とは異なる信号変化を全例に認めた.そして,腱板疎部の線維化が61%,腱板の腫脹が50%,上腕骨大結節部の骨嚢胞変化が30%,下方関節包の線維化が25%の対象者にみられた.被覆断裂の術前MRI画像には,上記5つの特徴的な所見がみられ,このうちT2強調画像における腱内高信号変化が全例に認めており,特に重要な所見と考えられた.
収録刊行物
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- 肩関節
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肩関節 42 (3), 706-709, 2018
日本肩関節学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001288084112640
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- ISSN
- 18816363
- 09104461
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可