-
- 小髙 泰
- 国立研究開発法人産業技術総合研究所 自動車ヒューマンファクター研究センター
書誌事項
- タイトル別名
-
- クウカン ニンチ ト フクソウ ガンキュウ ウンドウ
この論文をさがす
説明
我々ヒトを含む霊長類は中心窩(fovea)と呼ばれる超高解像度の部分を持ち,両眼視することによって詳細な情報を得る事ができる.中心窩に投影される光軸方向を視線と呼び,両眼で視覚対象を捕らえる時,無限遠の対象を見る時には視線はほぼ並行となり,それより近い視覚対象を見る時には左右の視線がお互い内向き(鼻向き)に調節される.これを輻湊眼球運動と呼び,この時の内向きの角度を輻湊角という.ヒトにおける両眼中心距離(Inter ocular distance:IOD)は,個人差があるものの成人でおよそ6.5 cm 程度であることから,数 m より遠方の距離に対する輻湊角の変化はとても小さい値となりその差を検出する事ができなくなる.ヒトの奥行や距離の認知は,主に視覚的な情報を手掛かりにしていると考えられており,心理物理実験からも,視覚的手掛かりが優先されて処理されていることが示唆されている.一方で,空間移動を感じさせる視覚や前庭刺激を与えると,輻湊眼球運動が誘発されることから,輻湊眼球運動は,脳内における空間移動の認知を客観的に知る手掛かりになるのではないかと考えられる.
収録刊行物
-
- バイオメカニズム学会誌
-
バイオメカニズム学会誌 41 (4), 159-164, 2017
バイオメカニズム学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001288084652288
-
- NII論文ID
- 40021405832
-
- NII書誌ID
- AN00334047
-
- NDL書誌ID
- 028708202
-
- ISSN
- 02850885
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可